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累積していくコンテンツの風景

朝刊
01 /17 2011
信子「あ、久しぶりに伊豆の踊子が読んでみたくなった」
益利「伊豆の踊子って川端康成の小説だっけ?そういえばそんな小説あったな」
信子「そうよ。そんな小説あったのよ。ものすごい情報量が多くなった現代だとそんな古い小説なんてすっかり忘れちゃうわよね。でもさぁ、だからこそ伊豆の踊子あたりの青春感って逆に新鮮じゃない?」
益利「ケータイやネットの登場でもうあんな青春はないだろうからなぁ。完全に違う世界の恋愛になってそうだ」
信子「そうよ。まさに違う世界の物語。今の日本人ではもう作れない物語じゃない?だからこそ読みたいのよね」
益利「そういえば、過去の小説だって相当な数の物語があるよな」
信子「あるわよねー。現代まで生き残ってる超有名作ですら多いけど、その時代その時代に売れなかった作品だって相当数あっただろうし。どれだけの数の物語あることか」
益利「それだけの数の物語が累積されてるって事はそれだけで充分物語はあるんじゃないか?」
信子「まあ数はあってもやっぱり時代が違う物語は新しい時代の人には受けないんじゃないかな?ケータイの無い時代を想像出来ないだろうし、ここでケータイ使えばいいじゃんとか思いそうだしね」
益利「なるほど、それじゃ創作はまだ必要なわけか」
信子「でも、新しい時代の作家はそういった過去の作品と戦わなければならないから大変そうね。なまじ過去作を評価する風潮になったら、作家氷河期になりかねないし」
益利「ああ、今では音楽がそんな感じだな。バブル時代にあがる曲が多くできてしまったから、お金のないこの時代に音楽業界の魅力も薄れている今ではもうバブル時代を超えるアッパーな曲群は生まれないだろうな。まあ、その時代その時代に売れる曲はあるだろうけど」
信子「バブル時代の音楽業界への投資額は半端なかっただろうからね。ホントかウソか米米クラブのライブなんて、満員でも赤字とかラジオでカールスモーキー石井さんが言ってたし」
益利「巨額の利益を目減りさせるための節税対策でライブに湯水のごとく使ってた可能性はあるな」
信子「もしかすると、あの時代のライブって儲ける為と言うよりも損するためのものだったのかもね。よくよく考えると米米クラブ以外もライブ映像の豪華なこと。今では考えられないくらいよねぇ」
益利「音楽も、音楽自体だけでなく、そういった映像コンテンツも過去のものがかなり投資してるためにそれに勝つのは至難の業だな」
信子「音楽PVとかもすごかったよねー」
益利「バブル時代のコンテンツって結構バカにならないくらいの強敵だな」
信子「でも逆にさ、そういう過去の作品を掘っていくだけで、過去に投資した額分のコンテンツを生み出してるのと同じわけじゃん。どうせならテレビCMとかテレビ番組もあの時代の音楽を使ったらいいんじゃないかな」
益利「ただそれをやると新しい世代が育たないし、テレビも芸能人いてこそだから、結局今のタレントを絡めた番組になるんだろうな。ワイプで顔映したりとか」
信子「あー、中にはこれタレントいらなくね?って番組多いもんね」
益利「過去の作品と言えば、今タイガーマスクが盛り上がってるだろ?」
信子「伊達直人運動ね」
益利「あれだけ盛り上がってるんだから、テレビで再放送すればいいのにって思うのにな」
信子「そういえばそうね。放送すればいいのに」
益利「7時くらいに二話づつ放送して一時間やればいいんだよ。どうせつまらない番組やってるんだから」
信子「まあ、テレビを今観てる世代ってタイガーマスク世代だから、タイガーマスクの再放送って結構数字取りそうね」
益利「もしも、タイガーマスクの再放送で視聴率良かったら、あの時代のアニメの再放送ブームになるかもな」
信子「ベルサイユのばらとかやるかな」
益利「あ、テレビも累積された過去作って多いな。再放送ブームなんてことになったら、タレントがみんな凍死するな。まさに氷河期になってしまう」
信子「コンテンツが累積してしまった時代って創作しづらい世の中ねぇ」
益利「創作が廃れることはないだろうけど、それでも縮小していく可能性はあるな。人の時間を奪ってお金をもらう仕事である以上、時間を奪い合うライバルが多いのは厳しい」
信子「そんな過去作に勝てる策ってないのかな」
益利「過去作の弱点は伊豆の踊子もそうだけど、リアルタイム性がない事かな。時代錯誤感があることと、生放送には勝てないよなぁ、やっぱり。生放送の多いラジオの強みであるけど」
信子「確かに生放送って内容が無かったとしても、次に何が起こるのか気になって見ちゃうし、なぜか面白いよね。無意味だった生放送番組の録画はものすごくつまらないけど」
益利「スポーツが創作に負けずに残ってるってのもそこにあるのかもな。結局点数がとれなくてもそこまでの展開とかが面白いわけで、結果知って見るとあんなに虚しいものもないし」
信子「じゃあ、これからのコンテンツは生放送が鍵になるのかな。確かにネットもそこに今注力してるしね」
益利「テレビはその強みを持ってるのに、気付かないのかそれをしないからなぁ」
信子「生放送かぁ。やればいいのにね、なんでやらないんだろ」
益利「クレームが怖いからじゃないかな。まあそこビビったら終わるけどな」
信子「一度終わった方がすんなり方向転換できるけどねー」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
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福澤桃介と金子直吉の評価の低さを憂う。
2007年8月31日開設
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