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一変した風景

朝刊
03 /21 2011
信子「ガソリンの無さは尋常じゃないわね。店閉めてるガソリンスタンドか、朝から超行列してるガソリンスタンドのどちらか。さすがにそろそろガソリン入れたくなってきたけど、あれに並ぶのは苦行よ…」
益利「停電も結構キツいな。一回三時間は結構長い。しかも運が悪いと二回あって、二回実行されるとほぼ一日何も出来ないし。どうしろっていうんだ…」
信子「時間潰すにも時間潰すものがみんな電気使う物なのよね。テレビ、ゲーム、DVD、音楽。せいぜい携帯ゲームくらいだけど、三時間ぶっ通しでやれるほど子供でもないしね」
益利「本を読もうとしても明るい時間の停電ならいいけど、夕方からの停電じゃそうもいかないしな。完全にいろんなものが詰んでる」
信子「普段からラジオにハマってて良かったわよね。お陰で停電中でもラジオだけは聴けるから。ラジオ無かったら心理的な不安が半端なさそうよ。あ、そう言えば、電気や行ってみたらラジオ売り切れてたよ。普段はあんなに売れないのに。本当に現金よね-」
益利「テレビは停電じゃ役に立たないし、ラジオなら電力は本当に微々たるものだから便利。しかし、テレビのCMはACばかりでちょっと酷いな。自粛なんて手前かも知れないけど、実際停電が起きれば見る人が強制的に減るわけだから、テレビCMの魅力はかなり低下はしてるし」
信子「停電世帯が何万世帯なんて言ってるもんね。それだけの人が完全に見られない状況にあるって事は宣伝効果は下がってるわけだし、なによりこの状況での宣伝って不謹慎とか言われそうだしねぇ。広告業界キツそうね」
益利「まあ、これでラジオの認知度というか、ラジオを持ってなかった世帯がラジオ専用機を手に入れたわけだから、大分ラジオ業界の状況は良くなったよな。それと非常事態という手前でラジコの地域限定解除したけど、これもラジオ業界にとって追い風だな。多くの人に聴いて貰えるし、何よりこの状況で限定解除を戻すことが出来るのか気になる。限定解除したらクレームが多いだろうしな」
信子「あ、ラジオって高い奴も根こそぎ買われてたんだわ。あれはビックリ。パナソニックのジャイロアンテナのが無くなってるとはね。気になってたんだけどなぁ、アレ」
益利「アレが売れたのか。まさにインフレの動きだな、それ。安い物から売れて仕方なく必要な人が最後は高い物まで買ってしまう。安物があるうちは大丈夫と思ってた人は安物が無くなった途端焦るから、売れる時は一気だな。そういえば、安い自転車が無くなってたな」
信子「へえ、自転車も売れてるんだぁってガソリンが無くなった時は最後は人力が一番だもんね。そういえば、近所の人もみんな自転車出してたね。まさかの自転車ブーム」
益利「トイレットペーパーの売り切れは意味がわからないけど、結構生活環境の変化によって生じた需要に対しての消費はかなり大きくなった。環境がこうも大きく変わったら、供給が追いつかなくなって売り切れてしまう」
信子「っていうか、誰がラジオブームが来るなんて思うわけよ。供給量なんて増えるわけないわ。まあ、あたし達は聴いてたわけだけど」
益利「これを機にラジオが見直されたらいいのにな」
信子「テレビと違って電力が小さくても使えるし、内容は濃いし、聴いている内にみんな気付くんじゃないかなぁ」
益利「あとは、店舗が節電のために照明を切って昼間なのに暗かったことが気になったかな」
信子「あー、確かに暗かった。でも慣れてきたらこれこそが洗練された先進国って感じがしてくるから不思議。普段が無駄に明るすぎたのよ。電気をスマートに使ってるってのが妙にカッコ良く見えたわ」
益利「店舗が暗いのは設計が電気中心だからだな。外は晴れてるのにあんなに暗いのはもったいない。天窓やもっと外の光を取り入れる設計にしてれば、照明切ったくらいで暗くならなかったろうに。これからの店舗はもっと外の光を取り入れて照明要らずの店舗になっていくかもな。それと天窓には透過性の太陽電池を付けたりして。透過性の薄膜式太陽電池なんて物好きが家に使うだけかと思ったけど、店舗の設計が変わってきたら大分需要があるはず」
信子「ホント、外の光をもっとうまく使えばあんなに暗くなるはずなんて無いよね。本当に建物自体が外光入れない設計にしすぎよね。もったいない」
益利「電気を湯水のごとく使えた時はそれで問題無かったんだろう。でもこれからの関東ではそうも言えなくなるからな」
信子「この電力足らずはかなりヤバい状況だけど、この電力でも経済回せるようになったら、その超省エネ技術は最先端な技術になるわよね」
益利「エネルギーが無かった時代も様々な省エネ技術を磨いたんだろうけど、今はまた新しい技術が増えた時代だからこそ、ここで一度本気で省エネを関東地区で死ぬ気で考えたら、また新しい設計や色んな物が生まれそうだな」
信子「昔は無かったものって言えば、太陽電池のバリエーションやLEDなんかも大きいわね。液晶技術や有機ELとか。建物の技術も色々あるだろうし、大分アイデアの出しようがあるかもね」
益利「結構先進国の住民は緩やかに省エネとかしていくけど、今回の関東のように思いっきり厳しい環境にするような先進国ってないからな。かなり厳しい状況だけど、西日本は普段通りだろうし、関東を省エネの実験場とすれば日本はまた技術が上がるかも知れないな。自動車で日本がのし上がったマスキー法の時みたいに」
信子「現時点で企業活動が休みだと電力供給量は足りるわけだから、あとは企業が使用する分を賄うわけか。結構キツいね」
益利「キツいと言っても規制でなった状況じゃないから政府を叩いてもどうしようもないしな。それに関東には東京も入ってるわけだから、政治家も見ないフリは出来ないしな。自分が今いるところがピンチなんだから、目を背けても見えてしまう。しかし、どこかに怒鳴り込んでも解決するわけもないし、何もしなければ人口の一割が住む東京の票を失うわけだ。まあ必死だな」
信子「とりあえず、電気は仕方ないにしても群馬じゃガソリンが入ってこないと本格的に再始動とはいかないわね。工場も停電リスクがあったら動かせないだろうし。何より映画館が全部閉まってるのも痛いわね」
益利「そうなんだよなぁ。映画が観られないのは辛い。結構見たいのがあったのに」
信子「何にしてもガソリンと電気ね。群馬経済復活させるには」
益利「その前に原発が落ち着くことが先決だけどな。原発問題がなければ大分状況は違ってただろうに」
信子「もう最悪の事態にならないことを前提に生活や投資しちゃってるから、今さら失敗しましたーオシマイですって言われてもねー」
益利「その時は侍らしくサパッと死ねばいい」
信子「あら、あたしは国定忠治の博徒の方がいいわ。その時は博徒らしく赤城を見ながら死ぬわ。赤城から離れて死んだ国定忠治よりかはマシだし」
益利「まあ、どちらにしても死ぬ覚悟は決めた方が楽に生きれるしな」
信子「あら、あたしは相場を初めて貼った時からその覚悟は決めてたけど?」
益利「でも、あれだろ?」
信子「ええ、死ぬ気は無いけどね。原発が落ち着く方に人生賭けたんだから、この博打勝たせて貰います」
益利「それは博打になってないな。群馬で生まれ育った者なら、群馬で死ねたらそれは勝ちだ」
信子「そんな事言ったら、あたしの人生負け無しね。群馬以外の場所で死ぬ気は無いわ」
益利「人生なんて、死に場所決めておけば怖いもんなんて何も無いさ」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
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2007年8月31日開設
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