2ntブログ

何気ない幸せの風景

朝刊
04 /18 2011
信子「ファンタのペットボトルの形はいつみても斬新だよね-。こういう冒険好きだなぁ」
歩「面白い形ですよね。ボンキュッボンキュッみたいでセクシーですよね」
信子「セクシーよねぇ。あ、このジュースの新デザインはちょっとキモいよねぇ」
歩「あ、ホントだぁ。ちょっとアレですね~」
信子「あー、こうして友達と夜のスーパーをブラブラしてるのって本当に幸せ」
歩「なんかイイですよね。お金もかからないし」
信子「そうそう。みんなお金があったらどうする?って聞くと、思いっきり遊ぶ!とか欲しい物を買う!とか言うじゃない?でも実際にそんな状況になって好きな事をして好きな物を買っても本当に楽しいのかな?って思うんだよなぁ。結局趣味の物を買っても一人で見てても虚しいし、好きなことをするにしても一緒に遊ぶ仲間がいなければなんの面白さもないと思うわけよ。だから、お金を使って一人で派手な遊びをするよりも一人で欲しい物に囲まれるよりも、こうして仲のいい友達とスーパーで喋ってる方が幸せなんじゃないかと最近思うんだよね」
歩「生活する分のお金は必要ですけど、多すぎるお金があったとしても持て余しそうですよね。宝くじで一億円貰ったら、真っ先に仕事を辞めて、そのお金で細々と生活していくかなぁ?」
信子「みんな真っ先に仕事を辞めたがるでしょ?でも仕事を辞めた分空いた時間って結構大きいし、何より仕事してると仕事仲間とかいるわけだし、退屈しないじゃない?仕事仲間に、お金があったらこんな仕事すぐに辞めてやるーって言ってる間が幸せなのよ。実際にお金があって仕事辞めたらその仕事してた時間何するの?って事だし」
歩「えーっと、仕事辞めたら気が済むまで寝るかなぁ?でもそれは始めのうちだけですね。そんなに毎日寝てられないでしょうし」
信子「寝てられなくなったらどうする?友達と遊ぶ?でも友達は昼間仕事してるでしょ。ひとりぼっちでテレビでも見てるのが関の山ね」
歩「あっ!確かに遊び相手がいないですね。当然仕事してないと仕事仲間もいないから喋る相手もいないし」
信子「同じような暇を持て余してる人と知り合って遊ぶのもいいかもしれないけど、そう言う人達ってお金使って時間潰す人達だからお金もかかるでしょうね。そうしたら宝くじの一億円もすぐに無くなっちゃうかも。そもそもそういう人達って面白い人かどうかもわからないし」
歩「結構、世の中って難しいもんですね。お金があって生活を変えたとしても変えた生活が楽しいかどうか怪しいんですね」
信子「だから、結局こうして他の女の子達みたいに夜のスーパーでわいわいやってる事が幸せなわけよ。あたしが思う本当の幸せって夜のスーパーを友達とブラブラしていながらも生活の不安がない人なんじゃないかと思う。馬鹿話する友達がいながらも老後まで生活に心配する必要のない人が本当に幸せ者なんじゃないかって最近よく思うのよねぇ」
歩「って事は人生にとって一番大切なものって友達なんですね」
信子「うん。確かにお金は生活するために必要だけど、生活のため以上のお金と友達では友達だとあたしは思うわ。こうして遊べる歩ちゃんがいなかったらと思うとゾッとするわ」
歩「…じゃあ、信子さんにとって私は一億円以上の価値があるって事ですか?」
信子「ううん。一億円以上よ」
歩「えっ!今の言葉、信子さんが男だったら落ちてましたよ…」
信子「おーよしよし、カワイイ子だなぁ、歩ちゃんは」
歩「エヘヘ、…ありがとうございます」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
ええ、フィクションです。
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福澤桃介と金子直吉の評価の低さを憂う。
2007年8月31日開設
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