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買い物という遊びの風景

朝刊
05 /02 2011
信子「やった!このブックオフで全巻集まった。これ読みたかったのよねぇ」
益利「やっと集まったか。何件ブックオフ回らされた事か。見つかって良かったよ」
信子「ブックオフで集めるって言うルールが楽しいんじゃない。特に105円で買えた時の快感って言ったら!」
益利「最後の一冊を求めて何件回った事か。ネットで買えばすぐに手に入るだろうに」
信子「それじゃダメよ、それじゃ」
益利「なんで?」
信子「ネットで買えば確かにすぐに買えるけど、それじゃ一瞬じゃない。検索して発見したらカートに入れて精算して待てば届く。確かに便利だし確実よね」
益利「まあ、その為のネットショッピングだからな」
信子「でもさ、それだと時間が節約され過ぎちゃうじゃない」
益利「は?その為のネットショッピングだろ」
信子「そんなスマートに買い物するのはいいけど、それで浮いた時間をどうするの?その浮いた時間でまたネットショッピング?もうお金がいくらあっても足りないわね」
益利「何が言いたいんだ?」
信子「要するにショッピングって物を手に入れるのが目的じゃないの。物を手に入れるまでの過程を楽しむのがショッピングなのよ。あのお店ではああいう物があった。こっちのお店ではこういう物があった。あっちではいくらでこっちはいくらでこっちは安いけどポイントが何%でとか。こっちの店には1巻があったけど、あっちの店では2巻があった。じゃあ、近い方の店から寄っていって買っていこうとか。そう言うことを考えて実行に移して、買っていって気が付けば時間が過ぎてる。あと、寄っていった店や通りすがった店で気になる物を発見したり、それを買ってしまって用意していたお金が足りなくなって悩んだりする。ショッピングは一つのゲームなの」
益利「へえ、無駄な行動にも見えるけどな。そう言うのって」
信子「確かに無駄よ。ネットで安いのを見つけてクリックで買う方がもっとスマートでスピーディーに買い物は出来るわね。でもね、それで何を得るの?家の中にずっといて買い物も一瞬で終わらせて、休日の残った時間をどう過ごすわけ?」
益利「うーん、そうだなぁ。寝る…。でもそんなに長く寝てられないしなぁ」
信子「時間なんて余ってるんだから、いかに時間を使って買い物するかっていう方が買い物も楽しいじゃない?どうせ、休みの日なんてやる事なんて何も無いんだし。確かに仕事で使う道具やすぐに必要な物なのに近所の店に無かったらネットで買うのはいいけど、今必要じゃないものに関してはむしろ時間を使って探して手に入れる方が無駄な事をしてるようで有意義じゃない。小腹が減ったらお店で食事も出来るし、店の中を歩く若い子を見るのも楽しいじゃない。カップルとか親子連れとか。生きた人間をたくさん見られるし、色んな人生を垣間見られる。でもネットショッピングは単純に欲しい商品を確実に手早く手に入れるだけ。そんなの退屈でつまらないじゃない。買い物の目的は商品を手に入れる事じゃなくて、外に出る理由が欲しいだけなのよ。あんたもそうでなければこうして外なんて出ないでしょ?」
益利「確かになぁ。外を歩いて若い子を見るのは悪くないしな」
信子「あんたが言うとイヤらしく聞こえるのはなぜかしら。女子高生以下に声かけないでよ。犯罪よ」
益利「かけねーよ。さすがに未成年者はマズいだろ…」
信子「…バカじゃないの、あんたなら未成年者じゃなくてもマズいわよ…」
益利「聞こえてるぞ」
信子「聞こえるように言ったもの。あ、お腹減った。チーズバーガーかピザが食べたいわ。アメリカ人みたいに!フレンズっぽく」
益利「じゃあマックでも…」
信子「そんなにモスに行きたいの?仕方ないなぁ。あんたの希望を聞いてやったんだからおごりね」
益利「あのなぁ…。安いヤツならな」
信子「やったー。言ってみるもんねぇ」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
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2007年8月31日開設
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