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市民プール行ってての風景

朝刊
07 /29 2013
信子「ほら、あたし今市民プールに行ってるじゃないっスか~。行ってるっつーか、ハマってるっていうの?」
益利「ソーっすか?ソーっすね」
信子「そんで思うのよ、こんだけでかいプール自分で作ると思うとチョー金かかんね?って。マジ金持ちじゃねーとムリじゃね?って思うわけよ」
益利「思うんスか、そうっスね。かかりソーッスね」
信子「あー…。ゴメン。もうムリ。こういう話し方の文法がマジでわからない。つーか今まで話してたのも合ってるのかどうかも怪しいし。まあいいや、そんなわけで、泳ぎながらこれだけのプールと水と監視員とか準備するとなると結構なお値段になるじゃない?」
益利「ソーッスね」
信子「それで金持ちと言えばプールじゃない?ギャツビーも持ってたし、別荘にプールとか定番だし」
益利「まあ金持ち言えばプールだわな」
信子「それで平日かタイミングによっては50mプールのでかいのが一人で貸しきりになったりするわけよ。まあ、夏休み始まったからもう無理かも知れないけど」
益利「なるほど」
信子「一人で大きいプール独占してると、所有権という考え方を外して、自分の享受してる状況を考えたら、ギャツビーより大きなプールを独占してるわけよ。金持ちになったら実現したいと思ってる人もいるような状況が今あたしに起きてるわけよ。なんて言っていいのかなぁ。要するに状況だけを見たら、あたしは世界のセレブよりも恵まれた状況、それは言い過ぎでもそれに近い状況にあるんだと思ったら、なんか複雑でね。市民プールの利用料210円だけど、たった210円でこの状況を味わえるなんてあり得るかなぁって思うのよ」
益利「コストパフォーマンスで考えたらベラボーな贅沢だな」
信子「そうなのよ、一言で言えば贅沢ってやつ。お金があれば何でも出来るって盲信してる人もいるけど、この状況を作り出すにはとんでもない額がかかるし、50mプールなんて要らないじゃない?現実問題無理な話。でもそんな莫大なお金が必要な状況も行動するタイミングによっては起きえることなんだなぁって思ってね。なんか言葉にしづらい感覚なんだけど」
益利「まあたとえばモナリザの微笑みを観に行ったら、たまたま美術館に客が誰もいなくて、貸し切ってはいないけど、状況的には貸し切り状態になってたとか、ディズニーランドに行ったらたまたま誰も客がいなくて貸し切ってもいないのに貸し切り状態になってたという感覚かな。まあ、これはあり得ない例だけど」
信子「まあそんな感じかなぁ。真の贅沢な状況を味わいたかったら、タイミングを選ぶ事の方が実はお金を持つよりも重要なんじゃないかと思ったのよ。タイミングによっては、莫大な資金が必要な状況がスポット的に毎日どこかで起きてるんじゃないかって。だって実はこの世の中には個人で抱え込むには多すぎるほどのお金が動いてるわけよ。箱物を造る事は仕事でそこを利用する事は遊び。要するに箱物を作るのに何億も使って、遊び場を作るのは仕事だけど、せっかく作ってもそこを利用する場合は遊びとして、特に日本では蔑まされる。他にも遊びを提供する側は仕事だけど、そこを利用する側は遊びと言われる。遊ぶ人がいるから仕事あるのに、日本人は全員が働く側になる。遊び場を作るのと提供するのは仕事で利用するのは遊び。この二つは表と裏の関係なわけよ。実は働くことも遊ぶことも表裏一体何じゃないって思ったり。仕事と遊びは同等の量無いと釣り合わないのに、日本人は全員が全員同じ時間に働いて、場合によってはサービス残業までする。仕事量が多すぎて、遊び量が少なすぎるといういびつな状況になってるんじゃないかと。そうすると自然と遊び側が少量のお金で莫大な仕事量を得ることになる。どういう事かというとお客一人による貸し切り状態なるわけよ。たった一人のお客に時給換算いくらかの店員が全員で接客することになる。完全に仕事量と遊び量が釣り合ってない状況よね」
益利「まあなにを言ってるのかよくわからんけど言いたいことは何となくわかるような」
信子「この状況は平日の昼間のショッピングモールでも行けばわかるわ。働いてる人しかいない日本で接客待つという徒労が日夜繰り返されてるわけよ。だから、あたしは思うわけよ。そんな遊び量の少ない時に仕事するから余計に仕事が増えるというか、仕事しても無駄な時間にも仕事してるから全体的にうまく回らないんじゃないかって。暇ならどんどん社員を休ませたら良いんじゃないかと思うのよ。自由に動く人がいるから、仕事は生まれるのよ。昔の日本のように借金して仕事もないのに仕事を生み出せた時代はそれでいいけど、もう日本は借金まみれで仕事なんて生み出せないわけで。むしろ国の借金が生んだ仕事は誰も遊ばなくても生み出せるという価値観のせいで遊べなくなってるんじゃないのかな」
益利「まあ借金で作った箱物ってのも遊び場だし、結局平日の昼間なんてあそこほど稼働してないからなぁ」
信子「そうなのよ。遊び場を作り、維持することは仕事なのよ。でも利用者がいないじゃない。それって本当に仕事なの?って思うわけだし、その賃金はどこから出てるの?ってことよ。平日の昼間も開館するなら、もっと平日の昼間遊べる人がいないと仕事として成り立たないじゃない。これだけサービス業的な仕事が多いのにそれを利用する人がいないし、金持ち外国人観光客が日本中に遊びに来てるわけでもないじゃない?仕事と遊びが釣り合ってなさ過ぎなのよ、この国は」
益利「金を持ってて暇な人と言えば団塊世代とかかぁ。あそこが遊ばなければ仕事なんて生まれないよな」
信子「その世代がゲーセンでメダルゲームやったりしてるけど、まあ特にあの世代はテレビと一緒に成長してきた世代で、まさにテレビっ子だからねぇ。一日中テレビ観てても平気なだから遊ばないしねぇ」
益利「そういや老人と言えばゲートボールだったけど見ないなぁ」
信子「ゲートボールの消失こそ老人像の変化の現れかもね。戦中世代から団塊世代になったわけだし。段階老人はどんな老人像を作ってるくれるか…って何話してたんだっけ?」
益利「えっと…なんだっけ?ああ、暑い日のプールは気持ちいいって話だったな」
信子「そうなのよ。暑い日のプールはマジで格別。行かないのは損してるわぁ」
益利「オレはエアコン効いてる店の方がいいなぁ。フラペチーノとか飲みながら」
信子「うわ、似合わねぇ」

黒崎銀二

Twitter:Ginji_k
この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。
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2007年8月31日開設
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